N駒関係を用いた評価関数を採用した. 現在,深層学習以外での主流な評価関数は,固定数の駒の位置関係に対して1つのパラメータを対応付ける2駒関係(PP)または3駒関係(KPP)を用いたものと思われるが, これらの手法では駒の数を固定数としていることにより,評価能力の限界とパラメータの冗長性の課題が存在すると考えられる. 本プログラムでは任意の数の駒の位置関係を用いた評価関数を用いることでこれらの課題の解消を試みた. 任意の数の駒の位置関係を扱うにあたり,位置関係の集合の作成方法と評価関数の実装とで工夫を行った. 位置関係の集合の作成については,機械学習によるパラメータの調整時に,その時点で保持している位置関係を組み合わせて新たな位置関係を逐次生成することにより集合を自動生成している. 評価関数の実装では,「各局面に現れる位置関係の数は位置関係の総数よりも十分に小さい」というスパース性を考慮したアルゴリズムを用いることで高速化を図った.